2011年12月30日

森からの伝言「地方自治は民主主義の学校である」

--以下、道北のフリーペーパー『PARUPARU』1月号掲載分--

森からの伝言

「地方自治は民主主義の学校である」

昨年の災禍を忘れることはできないし、したくもないし、放射性物質の拡散から生体濃縮という被害は現在進行形ですが、今年は少しでも良い年にしたいですね。それは私たちひとりひとりにかかっています。つまり、民主主義にかかっていると私は思います。

民主主義とは何か? <多数決>…この言葉を思い浮かべる方が多いでしょうか?しかし、これは民主主義の本質ではなく、民主主義の手続きを丹念に辿った結果に過ぎません。

民主主義の本質とは、ある社会の構成員同士が、基本的人権の尊重のもとで、それは言い換えると個人・少数者を尊重するという多数決とは真逆の精神のもとで、理性的な対話を通して自治を担うこと。これは、主権者である私たちが日本という国のかたちを定めた日本国憲法の大切な柱です。

これは、日本が過去に基本的人権に対する意識が希薄なまま、意図的に作り出された<空気>に飲み込まれて戦争を起こしてしまったことに対する反省から生み出されたはずの考え方です。

しかし、原発事故で暴かれたのは、私たちの本質が何も変わっていなかったということでした。福島原発を始めとする原発の危険性を訴え、止めようとしていた人々は存在します。しかし、それは少数派で原子力は安全という空気を自称多数派が作り出し、対話ではなく洗脳まがいのことをして、また大きな過ちを犯してしまったのです。

脱原発、エネルギーシフトと声高に叫ぶ前に、私たちは民主主義と向き合う必要があります。そうしなければ、例え脱原発は果たしたとしても、また別な問題で国際社会に恥をさらし、次の世代にさらなるツケを先送りすることになるでしょう。

「地方自治は民主主義の学校である」。私はこの言葉を真に受け、13年前に下川町へ入学しました。入学済みの方もそうでない方も、今年から一緒に一から学びませんか?

<民主的な対話のきっかけに…上映会のご案内>
日本のエネルギーの最前線、上関原発計画に向き合う祝島の人々とスウェーデンで持続可能な社会を構築する人々の取り組みの両方を描いた作品『ミツバチの羽音と地球の回転』(135分)の上映会が、1/14(土)、昼の部13:30〜、夜の部18:00〜、下川町総合福祉センター「ハピネス」にて開催されます。大人800円、高校生以下無料。お問合せ:01655-5-2770(クラスター推進部)
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2011年11月28日

森からの伝言「太陽エネルギー」

--以下、道北のフリーペーパー『PARUPARU』12月号掲載分--

太陽エネルギー

 いよいよ冬本番。日本で一番寒さの厳しい地域に暮らす私たちにとっては、暖房のためにエネルギー使用量が一気に増える季節ですね。地球温暖化に放射能汚染、今やエネルギーを使うときに気にするのはお金のことだけではなくなりました。

 原発事故の反動から太陽光発電が一気に広がりそうな気配ですが、太陽のエネルギーを私たちが利用できる形に変換できるのは、太陽光パネルだけでしょうか?

 ある朗らかな春の日、太陽の日差しがとても心地良く幸せな気分にひたっていたとき「このぬくもりは何かに似ているなぁ」と思い、それは何かと考えていたら「薪ストーブだ!」と気づきました。

 私の家には薪ストーブがあります。灯油ストーブと併用で、半分趣味のような状態で炎を楽しんでいます。そのときに感じるぬくもりと太陽の日差しのぬくもりが同じだったのです。

 薪ストーブは当然のことながら薪を燃やします。そして薪は、やはり当然のことながら、森の樹々を伐り倒し、丸太にし、さらに適当な長さに切り分け、斧で割って初めて薪になります。では、森の樹々は?そう、太陽の日差しを原動力に、葉っぱから二酸化炭素を吸収し、根から水や養分を吸い上げ、長い年月をかけて年輪を重ねます。

 つまり、森の樹々は太陽エネルギーの化身であり、その身を燃やしバラバラにする過程で再び太陽エネルギーを放出し、私たちの心身を暖めてくれるのです。

 森の樹々に限らず、植物全般は、バラバラな物質を太陽エネルギーによって濃縮、構造化し、その恵みを私たちは受け取っています。人工的に作った物質を活用するのも人類の知恵かもしれませんが、私たちの生活をずっと支えてきてくれた植物に今一度感謝してはどうでしょうか?もうすぐクリスマス。もみの木を飾りながら。

<エネルギーをテーマにした上映会のご案内>
使用済核燃料再処理工場がある六ヶ所村に生きる村人を取材した映画『六ヶ所村ラプソディ』(119分)の上映会が、12/17(土)、昼の部13:30〜、夜の部18:00〜、下川町総合福祉センター「ハピネス」にて開催されます。大人800円、高校生以下無料。お問合せ:01655-5-2770(クラスター推進部)
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2011年11月18日

森からの伝言「ふくしまキッズ」

--以下、道北のフリーペーパー『PARUPARU』11月号掲載分--

森からの伝言

ふくしまキッズ

このコラムで支援を呼びかけた「ふくしまキッズ夏季林間学校」、下川での受け入れに際してはみなさまから多大なご協力をいただきましたことを、誌面をお借りしてお礼申し上げます。北海道全体の報告会が10月14日に札幌で開催されたので参加してきました。518人が各地に散らばり「マスクをはずして」のびのびと過ごした様子が、素敵な動画やフルカラーの報告書にまとめられていました。ホームページで公開されていますので「ふくしまキッズ」で検索してぜひご覧いただきたいです。

 しかし、この夏の思い出が鮮やかでカラフルであればあるほど、その対局にある福島の現実が胸に突き刺さります。そして、現在進行形の人災である放射性物質のさざ波は、あらゆる流れに忍び込んで全国に広がっています。広島県内在住の母親2人の母乳から微量の放射性物質が検出されたと聞きます。私が購読している有料メルマガにこんな記事がありました…「チェルノブイリ原発事故から11年後の1997年、ベラルーシで死亡した子どもと大人の解剖し、各臓器で重量あたりどれくらいのセシウムが溜まっているかを調べたデータがあります。多くの人が知らないと思いますが、飛びぬけてセシウム量が多い臓器は甲状腺。セシウム量は子どもが大人の約3倍にあたり、子どもの方が放射性物質の取り込みが早いことが明らかになっています」(http://seiji.yahoo.co.jp/column/article/detail/20110831-02-0901.html)。

 福島の子どもを守ろうプログラム実行委員会は、歩みを止めることなく着々と次のステップへ向かっています。夏よりは小規模ですが、「ふくしまキッズ冬プログラム」募集要項を整え、さらに、春、夏のプログラムの根回しも既に始まっています。

 私たちの暮らす天塩川流域は、日本で自然災害や放射性物質の心配が最も少ない地域であると言っても過言ではないでしょう。私たちだからこそできる最大の協力は、この森・川・大地をより安全で安心な状態に保ち、養い、その恵みである食べ物を分かち合い、心身を健やかに保養する場を提供することだと思います。

 前回のコラムでは、流域自治体間の連携を生み出す取り組みとして、木材を川の流れに乗せて天塩港まで運ぶ流送復活を提案しました。今回のコラムでは、流域連携による来年のふくしまキッズ夏季林間学校の受け入れを提案します。興味をお持ちの方はぜひご連絡ください。
posted by ナスケン at 15:04| Comment(0) | 森からの伝言 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする